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インターネット上で,複数人が関与するゲーム(ネットゲーム)は,その競技性,日々進歩するゲーム性とコンテンツなどから,非常な人気を博しています。

また,開発元からすれば,売り切りではなくて,ゲームをプレイしてもらえばもらう程に,課金や広告収入が継続的に得られるというメリットもあります。

それだけに競争も熾烈であり,かつ,複数のプレイヤーがプレイするサーバーの確保,維持など,通常のゲームよりもコストがかかることも少なくありません。

そして,近時,逮捕者も出ていますが,不正にゲームを有利にすすめるチート行為も問題になっており,せっかく莫大な投資をして人気ゲームを開発しても,チート行為で台無しにされてしまい,大きな損害を被るということもあり得ます。

ここでは,このようなチート行為と法律の関係,そして,「法的アプローチから,どうやってチートを抑止すべきか」という点について,解説します。

Q.チート(行為)とはなんですか?

A.「チート(行為)」とは英語でcheat,つまり「いんちき」という意味があります。ネットゲームで「チート」といった場合には,ネットゲーム上で不正行為をして,ゲームを有利に進める行為をいいます。

Q.チート行為は,犯罪になるのでしょうか?

A.チート行為そのものを,直接取り締まる法律はありません。

ですが,態様によっては,私電磁的記録不正作出・同供用罪(刑法161条の2)等,種々の犯罪が成立する可能性があります。

どの犯罪が成立するかは,チート行為の手口等に依存しますので,個別の事案毎の検討が必要です。

Q.チートには,どのようなものがあるのでしょうか。

A.いろいろなものがあります。

単純にスコアやステータスを上昇させたり,アイテムを不正に作成,生成をしたりするものから,麻雀ゲームにおいては対戦相手の牌を透かしてみる,アクションゲームでは,通常あり得ない動作をする,あり得るとしてもソフトウェアの助力により人間離れした操作をする(自動的に照準を合わせたり,見えないものをみる)などがあります。

Q.ソフトウェアを使わなければ,チートにはならないのではないですか?

A.開発者の意図しない動作をさせて,不正に有利にゲームを進めれば,チートであるといえます。

Q.「開発者の意図しない動作をさせて,不正に有利にゲームを進め」るというのは,基準として不明確ではありませんか?

A.確かに,一見して明確であるとまではいえないかもしれません。

しかしながら,実際のケース,実情からいえば,チートかどうかの判断に迷うようなケースは,さほど多くないと思われます。

Q.ゲームの設計に問題がある,バグがあるせいで簡単にチート行為が出来るとすれば,それは運営の責任ではないのですか?

A.運営に責任があるとしても,チート行為は正当化されません。

たとえば,防犯体制がずさんな銀行に強盗が入った場合,もちろん銀行の責任は問われますが,強盗が無罪になるわけではありません。

また,戸締まりをしていない家であっても,泥棒に入れば犯罪ですし,「厳重な戸締まりをしている家をピッキングでこじ開けた」ケースよりは,「悪質ではない」という程度の話になるに過ぎません。

Q.チートの何が問題なのでしょうか?

A.ゲーム世界そのものを破壊するから,大きな問題となります。

コンピューターゲームの中でも,オンラインゲームは設計,開発にあたって考慮すべき点が非常に多く,その開発には,通常のゲームより多くの費用,時間がかかります。

多人数が参加するネットゲームには,必然的にスポーツのような「競技性」があり,各人が平等,公平にプレイが出来るというのが大前提です。

ところで,チートがされると,その平等性,公平性が崩れてしまい,ゲームが成立しません。そうなると,運営を続けることも困難になり,ゲーム世界そのものを破壊するから大きな問題となるのです。

Q.チートの現状はどのようなものでしょうか?

A.深刻な問題になっています。

中には,チート行為をすることを商売する者も出ており,ゲーム世界に深刻な悪影響をもたらしています。

チート行為の蔓延は,上記の通り,ゲーム世界の破壊を招きかねないもので,その対策は重要な課題になっています。

実際に蔓延していなくても,ある程度の「分量」のチート行為が行われている,そういう認識があるだけで,プレイヤーは常にチート行為を疑わざるを得なくなります。そういう疑惑が,無用なトラブルを招くこともあり,ゲームの価値そのものを大きく毀損しています。

Q.チート行為の対策にはどのようなものがあるでしょうか?

A.技術的には,チートをしにくい設計をする,あるいは専門の対策ソフトウェアを導入するというのが一般的です。

チート行為は,ゲームソフトウェアの欠陥や盲点を利用することも多く,そもそも,そういう欠陥,弱点がないように設計することが第一です。

また,ゲームソフトの内部に「追加」するような形式で,チート行為を検知して排除するソフトウェアを提供している会社もあり,そのようなソフトウェアの利用も進んでいます。

法的な対策により,「抑止」するという方法も考えるべきです。

Q.チート行為への法的な対策というのは,どのようなものがあるのでしょうか?

A.利用規約への明示,注意喚起の広報をする,そして,責任追及を積極的に行うということが考えられます。

チート行為の多くは,行為者が「安易に考えて」手を染めています。ですが,その行為には法的リスク,制裁があるのだと予告し,周知することで,チート行為から遠ざけることが出来ます。

チート行為で莫大な経済的利益が得られるのであればともかく,単にゲームを有利に進めたい,そういう程度の動機をもつ多くのプレイヤーにとっては,こういった警告はそれなりの効果が望めます。

また,チート行為に手を染める者を減らせば,チート行為を「代行」したり,必要なソフトウェアを販売するという「事業」をやっている者に対する抑止にもなります。

特に,責任追及については,単に「退会処分」にするだけでは不十分で,実際に賠償請求をすることも重要です。「ゲームをやめる前にチート行為しよう」という者の抑止は「退会処分」だけでは出来ないからです。

Q.チート行為への法的な対策について,より具体的に教えて下さい。

A.利用規約において禁止を明示すること,その上で,違反行為については,すくなくとも1件以上,法的措置をとる,ということが考えられます。

まず,チート行為で犯罪が成立するケースが限定されることからすれば,直ちに警察等の助力は期待できませんし,それに頼ることも相当ではありません。

ですが,利用規約で禁止を明示すること,また,チート行為の定義を十分に広げること等の工夫で,すくなくともチート行為を「契約違反の行為」にすることはできます。

そうすれば,次は民事訴訟で責任を追及することも難しくはありません。そして,このような「対処」をしたことをアナウンスすれば,大きな抑止効果が期待できますし,「クリーン」なゲーム環境ということで,一般の利用者の支持も得ることが出来ます。

もっとも,利用規約をあまりに一方的な内容にすると,消費者契約法に違反して無効になるリスク,また,訴訟をしたところで被害額の証明の問題などもあります。これらの点については,ゲームの内容や,運営会社の事情に応じてよく検討することが必要です。

まとめ

    1. チート行為を直接取り締まる法律はない。

    2. チート行為は,態様によって,犯罪になる可能性がある。
    3. チート行為に対しては,退会処分や,賠償請求をする事ができる。
    4. チート行為の抑止は,利用規約に配慮することはもちろん,実際に責任追及をすることも必要である。

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(平成28年10月21日 弁護士 深澤諭史-なお,免責事項もお読み下さい