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ここでは,リベンジポルノ(復讐ポルノ)について,法律上・事実上の問題についてQ&A形式で解説します。

平成28年3月31日,現行法にあわせて改訂しました。

Q.「リベンジポルノ」とは何ですか?

A.元交際相手等の裸体等の非常にプライベートな画像・動画を,主に嫌がらせの目的で配布する行為をいいます。

「リベンジポルノ」といった場合,データそのものと,そういうデータを配布する行為,両方を指すことが多いようです。

 一般には,

① かつて交際関係にあった者の裸体等の非常にプライベートな画像や動画を,

② その交際終了後に,嫌がらせ・腹いせ目的で配布する行為

と,認識されているようです(法律上の定義については次のQ以降で説明します。)。

なお,「ポルノ」とは物を示す言葉で行為を示す言葉ではありませんが,ここでは,一般の用法やわかりやすさの観点から,単にリベンジポルノを「行為」を指す言葉として使うことにします。

Q.リベンジポルノに法律上の規制はありますか。

A.刑法等の規制を受ける他,「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」が制定されました。

私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(以下,「リベンジポルノ法」または,単に「法」といいます。)が制定され,リベンジポルノについての法規制が整備されました。

法律上,リベンジポルノは「私事性的画像記録(法2条1項柱書)」と定義されいます。

また,リベンジポルノを配布する行為は,私事性的画像記録提供といいます(法3条参照)。

Q.現行法上,リベンジポルノはどのような扱いを受けますか?

A.民法上の不法行為となるほか,刑事上はリベンジポルノ法違反,児童ポルノ取締法違反,名誉毀損罪,わいせつ電磁的記録送信罪が成立する可能性があります。

どんな不法行為もそうですが,法的責任は,民事責任(被害者に対して賠償等をする責任)と刑事責任(刑罰を受ける責任)に分類されます。

まず,民事上の責任ですが,リベンジポルノに限らず,不法に他人の権利を侵害する行為は,不法行為となり,それにより被害者に生じた損害を賠償する必要があります。

リベンジポルノは,人のプライベートな写真を広く公開する行為です。そのため,被害者は,相当な性的羞恥心・精神的打撃を受けますので,それに相当する損害賠償が認められると考えられます(賠償額については具体的な事情によりますので,ご相談下さい。)。

次に,刑事上の責任ですが,リベンジポルノで配布される画像や動画は,そもそも刑法上のわいせつ物にあたるケースが大部分です。ですから,リベンジポルノは,わいせつ電磁的記録送信罪(刑法175条1項後段。2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料)が成立する可能性が高いといえます。

また,昨今,児童が自分の裸などを撮影して安易にネットを通じて送信し,公開することが問題になっています。被写体が児童つまり18歳未満であった場合には,児童ポルノ法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)上の児童ポルノ頒布罪が成立する可能性があります。

更に,リベンジポルノは,被写体が特定出来るのであれば,「こんないやらしい写真を撮らせている人物なのか」と人に思わせ,その被写体である人物の社会的評価を落とす行為になります。このことから,名誉毀損罪(刑法230条1項。3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金)が成立する余地もあります。

以上に加え,リベンジポルノ法の制定に伴い,同法違反の罪が成立する可能性もあります(これについては,別のQで詳しく説明します。)。

リベンジポルノについては,複数の法律が重複して適用されるケースも多く,具体的にあるケースについては,いかなる罪が成立するのか,それぞれ慎重な検討が必要です。

Q.リベンジポルノで配布されるデータをダウンロードする行為は犯罪になりますか?

A.ならない場合が多いでしょう。

リベンジポルノが児童ポルノ(18歳未満が被写体の性的な画像)であった場合には,児童ポルノ所持罪(児童ポルノ取締法7条1項)が成立する可能性があります。

それ以外,つまり児童ポルノに該当しない場合には,ダウンロードだけでは罪になりません。わいせつ画像やリベンジポルノに該当する画像については,その配布は禁じられていますが,それを受け取る行為,つまりダウンロードについては処罰の対象となっていないためです

また,それを保存しておくことも,(児童ポルノを除いては)犯罪にはなりません。

しかし,それを再配布すれば犯罪になりますし,販売目的があれば,それを保管しておく行為も犯罪になりますので,注意が必要です。

Q.リベンジポルノ法の概略を教えて下さい。

A.正式名称は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」といいます。

リベンジポルノが社会問題として認知され,リベンジポルノについて処罰等を定めた「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」が制定されました。

この法律は,リベンジポルノ(のデータ)を「私事性的画像記録」と定義しています(法2条1項柱書)。

法律上,「私事性的画像記録」とは,大まかには,性交または性交類似行為の画像(法2条1項1号),性器等を触る画像(同2号),衣服の全部または一部を付けない画像で性的な部位を強調している画像(同3号)をいうとされています。要するに,性的にプライベートな画像が,「私事性的画像記録」にあたるということになります。

リベンジポルノ法は,この「私事性的画像記録」を,被写体が誰か分かるようにして不特定または多数の者に提供する行為(私事性的画像記録提供)を犯罪としています。これもおおざっぱに言えば,リベンジポルノを配布する行為が犯罪になるということです。罰則は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金とされています。

Q.リベンジポルノは,全てリベンジポルノ法で規制されることになるのですか。

A.いいえ。ケースによっては適用がなく,別の法律の取締を受けたり,逆に別の法律違反「にも」なることもあります。

リベンジポルノの配布は,性器が露骨に描写されているなど,刑法上のわいせつ画像といえれば,わいせつ電磁的記録の提供罪が成立します。また,刑法上のわいせつに至らなくても,被写体が児童であれば児童ポルノ配布罪が成立します。更に,リベンジポルノ法上の「私事性的画像記録」にあたれば,同法違反の罪が成立します。加えて,名誉毀損罪が成立するケースも多いでしょう。

このように,リベンジポルノ法で処罰される行為は,他の法律でも処罰が可能な行為も多く含まれるという関係になっています。リベンジポルノ法は,「新しくリベンジポルノ行為を処罰することにした」法律ではなく,「処罰範囲を広げた法律」であるといえます。

Q.配布されているわけではありませんが,私のリベンジポルノを他人が持っています。これを消せという事は出来ますか?

A.かなり難しいと考えられます。

現行法上,他人が,プライバシーを侵害するというだけの理由で,特定のデータを持つことを禁止することはできません。

もちろん,配布をしているのであれば,それをやめるようには請求できます。

しかし,ただ持っているだけの相手に,不安であるから消せと請求するのは困難であると考えられます。

そういう請求権を認める必要性はありますし,解釈として全く認められない,というわけではありません。実際に,認められたケースもあるようですが,現行法の建前から保守的に考えてしまうと,やや難しいのではないかと思います。

Q.リベンジポルノの被害に遭った場合,どのような手段がとれますか?

A.削除や投稿者の個人情報の請求,投稿者への賠償請求や刑事告訴が考えられます。

リベンジポルノは,すでに説明したように,被害者の名誉権等の権利を侵害する行為です。

そして,インターネット上に,自分の権利を侵害する情報が掲載されている場合は,被害者は,そのサーバ(掲載されている掲示板等を管理するコンピュータ)の管理者に対して,①その情報を消去(正確には送信しなくすることですが,実質は消去です。)すること,②投稿者を特定するための情報の開示(IPアドレス等)を請求することができます

また,投稿者を特定した場合には,既に説明したように,損害賠償請求をしたり,あるいは,捜査機関に対して,捜査と処罰を求める刑事告訴をすることができます。

Q.リベンジポルノの被害回復は難しいのですか?

A.極めて難しいと考えられます。

インターネット上,自分の権利を侵害するような投稿をした者を特定することは,複数の業者に開示を請求する必要があり,費用と時間がかかります。

しかも実務上は,通信業者は極めて開示に及び腰となっていますので,最終的に目的を達することは難しいのが現状です。

また,特定後も,日本では名誉や精神的苦痛といったものについては,その賠償額が低く見積もられており,果たしてどれだけの賠償を獲得できるか,という問題もあります。

Q.リベンジポルノというのは,新しい問題なのですか?

A.いいえ,かなり前からあります。

リベンジポルノという言葉が作られ,認知されたのは最近のことですが,以前から,同種の問題,トラブルは発生していました。

現実に,刑事事件となったケースもあります。

なお,意図的な配布ではありませんが,自分が保管していた交際相手のわいせつな画像が,マルウェアの感染により流出させられてしまった,というケースも少なからずあります。

Q.リベンジポルノの被害を防止するためにはどうしたらいいですか?

A.とにかく「撮らせない」ことです。

いかに交際相手であるとはいえ,わいせつな画像等を撮影させるのは,極めて非常識な行為です。

説明したとおり,被害は拡大を続け,しかもその回復や防止も現行法では非常に難しいものになっています。

なによりも予防が重要です。そして,その方法は「撮らせないこと」の一つに尽きます

仮に,相手が信用できるといっても,デジタルデータは,いつ,どういう理由で流出するか分かりません。記録しているメディアや携帯電話を紛失したら,それまでです。

まとめ

    1. リベンジポルノとは,元交際相手のプライベートな(多くの場合わいせつな)画像・動画を,嫌がらせ等の加害の目的で配布する行為をいいます(あるいは,データそのものをリベンジポルノと呼ぶこともあります。)。
    2. リベンジポルノは,不法行為になりますし,犯罪になる可能性も高い行為です。
    3. リベンジポルノを処罰する法律が制定されましたが,同時に,従前の法律でも処罰されます。
    4. リベンジポルノの公開をやめさせたり,投稿者を特定する法的な手続きがあります。
    5. 個人的に保存されているだけのリベンジポルノの消去を求めることは困難です。
    6. 何よりも,「撮らせないこと」が重要です。

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(平成26年3月3日,平成28年3月31日更新 弁護士 深澤諭史-なお,免責事項もお読み下さい