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ダウンロード犯罪化とは何か

すでに各所で解説されているところですが,端的に言えば,違法にアップロードされた有料の著作物を,ダウンロードする行為について,刑事罰が科されることになりました。

ダウンロードについては,私的利用という事で適法であった時代が長く続き,次いで違法化されたが罰則はないという状態でしたが,今回の改正で,(一部の)違法ダウンロードが犯罪になることも規定され,10月1日から施行されました。

注意が必要なのは,違法行為全てが犯罪行為になるのではないこと,著作権を侵害するダウンロードが違法行為であることは従前から定められていましたが,今回は,違法ダウンロードの一部について犯罪にする,というものです。

以下,解説を掲載しますが,施行直後の法律であり,かつ,解釈等にも争いのあるところですので,ご自身の具体的なトラブルへの適用にあたっては,必ず,自身の事情を説明して弁護士に相談をするようにしてください。

ダウンロード犯罪化を定める条文

ネット上の法律情報ではしばしばあることなのですが,なかなか条文を摘示しているものがありません。

やはり,法律問題,それも改正法が問題になっているのですから,条文から考えてみることが一番大事となります。

そこで,問題となる条文を引いてみると…。

 著作権法113条3項

第三十条第一項に定める私的使用の目的をもつて、有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する

とあります。

これでは何が何だか分かりませんので,小分けしながら解説します。

条文が定めていること~問題とされている「有償著作物等」とは

まず,この条文が対象にしているのは,「有償著作物等」です。この条文の「有償著作物」とは,

文末が,「…者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とありますので,これは罰則を定めたものであることが分かります。

問題とされる著作物は,「有償著作物等」です。これは,有償で提供されている録音・録画等の著作物をいいます。著作物全てはありません。

動画や音楽に限られ,しかも有償で公衆に提供されていなければなりません。具体的には一般に音楽CDで販売されている音楽などです。

また,無料放送がされている番組でも,どこかで有料放送されているのであれば,これにあたります。なぜなら,有償提供されている著作物が対象なのであって,有償提供「しか」されていない著作物という限定はないからです。

条文が定めていること~「有償著作物等」をどうすることが問題なのか

問題となる行為は,有償著作物等について,「著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信…を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害」すること,です。

ここでは,大きく分けて,2つのことを定めています。

「著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信」とは,P2Pや動画サイトに無許諾で著作物をアップロードして,だれでもダウンロードできる状態にしておくことをいいます。

「自動公衆送信…を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害(する)」とは,上で述べたような状態のデータをダウンロードすることをいいます。

ここでは,録音又は録画という表現ですが,これは,音楽や動画をダウンロードすることを指します。

対象に制限はないのですが,方法に限定があるので,結果として,音楽や動画が対象になっている,という構造です。

条文が定めていること~罰則は何か

罰則については,「二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定められています。

これは,最高で2年の懲役刑と200万円の罰金刑が科される,という意味です。

懲役だけかもしれませんし,罰金だけかも知れません。両方が科されることもある,ということです。

また,この罪は,親告罪とされています。著作権法123条1項は,「第百十九条、第百二十条の二第三号及び第四号、第百二十一条の二並びに前条第一項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」と定めており,今回は改正されていませんが,そもそもダウンロード犯罪化の条文は119条に追加されるものですので,親告罪となります。

親告罪とは,告訴という被害者つまり権利者が捜査機関に対して,侵害者を処罰して欲しいという意思表示をしないと,起訴することはできない,ということです。

よくネット上では誤解がありますが,注意をして欲しいのは,告訴がないと犯罪にならないのではなくて,告訴がなくても犯罪ですが,それについて刑事裁判にかけるには,告訴が必要,ということです。

まとめ

わかりやすく,今回の改正をまとめると,

  1. 対象は,有償で提供されている音楽・動画(対象著作物)である。
  2. 違法配布されている対象著作物をダウンロードすることが犯罪になる。
  3. 罰則は最高で懲役2年+罰金200万円
  4. 権利者が訴えないと刑事裁判にはかけられない。

ということになります。

問題点

問題点については,別のコラムで解説予定です。

いわゆるストリーミング視聴はどうなるか,いきなり警察に捜査されてしまうのか,果たして権利者の権利は保護されるのか,知らずにやってしまう危険性などについて予測・解説します。

IT法務.jpでは,ダウンロード犯罪化について,権利者・侵害者の双方からご相談を承っています。まずはお問い合わせ下さい

(平成24年10月3日 弁護士 深澤諭史-なお,免責事項もお読み下さい